TOMONIAI School
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Level 1 AIの基礎を知る

生成AI・LLMの仕組みと、得意・不得意を自分の言葉で説明できる

  1. レッスン本文
  2. 実務演習
  3. チェックテスト

知る ― 生成AIの正体をつかむ

「正体がわかれば、怖くない。」

このレベルで身につけること
生成AIとLLMの基本的な仕組みを理解し、「何が得意で・何が苦手か」を自分の言葉で説明できるようになる。AIを正しく使いこなすための土台を作る。

学習の流れ:① 教材を読む(本文)→ ② 実務演習をやる → ③ チェックテストで確認

📌 前回の振り返り(Level 0):実際にAIを触り、「言葉で頼むと、その場で答えを作ってくれる」体験をしました。便利な反面、"それっぽい嘘"もあると体感したはずです。今回はその正体——AIが内部で何をしているのか——を解き明かします。


Section 1 生成AIとは何か

言葉の意味から理解する

「生成AI」の定義

生成AI(Generative AI)とは、文章・画像・音声などを"新しく作り出す"ことができるAIのことです。

これまでのコンピュータは「決められたことを正確に繰り返す」のが得意でした。 生成AIは違います。**人間が出した曖昧な指示を受け取って、その場で答えを"作る"**ことができます。

例:「お店の常連さんに送る、季節のキャンペーン案内メッセージを書いて」と頼むと、 その場で自然な日本語の文面を作ってくれます。これが「生成」です。

私たちが主に使うのは「文章の生成AI」

生成AIにはいくつか種類がありますが、仕事の場面で中心になるのは 文章を扱う生成AIです。代表的なサービスは次の2つです。

サービス提供元特徴
ChatGPTOpenAI最も広く使われている。汎用性が高い
ClaudeAnthropic長い文章の扱いや丁寧な日本語に強い

実務では、ChatGPTとClaudeの両方を業務に応じて使い分けることもよくあります。 どちらも「文章で指示すると、文章で返してくる」という点は同じです。


Section 2 LLM ― 生成AIの心臓部

「大規模言語モデル」を理解する

LLMとは

文章の生成AIの中身は LLM(Large Language Model|大規模言語モデル) と呼ばれる仕組みです。

LLMは、インターネット上の膨大な文章を読み込んで、 「ある言葉の次に、どんな言葉が続きやすいか」を超高精度で予測するように訓練されています。

▶ イメージで理解する
「おはよう」の次には「ございます」が続きやすい。「予約を」の後ろには、その場の文脈に合わせて「お取りします」「確認します」などが続きやすい。LLMは、こうした"次に来やすい言葉"を天文学的な規模で学習し、文章全体が自然になるよう、言葉を一つずつ選んでいます。

「理解している」のではなく「予測している」

ここが最も重要なポイントです。

LLMは、人間のように意味を"理解"しているわけではありません。 「次に来る言葉として最も自然なもの」を確率的に選んでいるだけです。

それでも結果として、まるで理解しているかのような自然な答えが返ってきます。 この「仕組みは予測、でも結果は賢い」という性質を知っておくことが、 後で出てくる得意・不得意を理解する鍵になります。

ポイントLLMは「考えて答える」のではなく「自然な続きを予測して答える」。だから時々、自信満々に間違えることがある。

Section 3 AIが得意なこと・苦手なこと

道具の性能を正しく知る

道具は、得意なことに使えば力を発揮し、苦手なことに使えば事故を起こします。 AIを使いこなすには、AIの「得意」と「苦手」を正確に見極められることが欠かせません。

AIが得意なこと

得意具体例
文章を作る・直すメール文面の作成、要約、言い換え、誤字チェック
分類・仕分け問い合わせを「予約/クレーム/その他」に振り分ける
形式を変える箇条書きを表に、話し言葉を敬語に変換する
大量・反復の処理100人分の案内文を、一人ひとり名前入りで作る
下書きの作成ゼロから考えるより、たたき台を作らせて人が直す

AIが苦手なこと

苦手なぜ苦手か
正確な事実の保証知らないことも"それっぽく"答えてしまう(後述のハルシネーション)
最新の情報学習した時点より後の出来事は、AI単体では基本的に知らない(最近は検索機能で補えるAIも増えている)
正確な計算・数値処理言葉の予測が本質なので、複雑な計算は外部ツールに任せた方が安全
責任のある最終判断契約・医療・お金に関わる最終決定は必ず人が行う

補足:これらの「苦手」は、AIを外部ツールと組み合わせると多くを補えます(計算は計算ツール、最新情報はWeb検索や元データ、など)。 苦手を仕組みで補って安全に使えるよう設計するのが、業務自動化の腕の見せどころです(Level 3・4で学びます)。 まずは「AI単体では苦手」と覚えておけば十分です。

ポイントAIは「下書きの達人・確認の苦手な新人」だと思うとよい。作らせるのは得意、正しさの保証は人の仕事。

Section 4 ハルシネーション ― AIの"もっともらしい嘘"

最も注意すべき性質

ハルシネーションとは

ハルシネーション(hallucination|幻覚) とは、 AIが事実でないことを、さも事実であるかのように自信満々に答えてしまう現象です。

Section 2で説明した通り、LLMは「自然な続き」を予測しています。 そのため、知らないことでも"それらしい言葉"を作ってしまうのです。

例:実在しない論文のタイトルや、間違った電話番号を、堂々と答えることがあります。

ハルシネーションと向き合う3原則

原則内容現場での意味
1事実は人が確認するAIが出した数字・固有名詞・日付は、必ず人かデータ元で裏取りする
2重要な処理は逃さないお金・予約・送信先など間違えてはいけない情報は、AI任せにせず仕組みでチェックする
3元データを渡すAIに記憶で答えさせず、正しい資料を渡して「この中から答えて」とさせる
ポイントハルシネーションはAIの欠陥ではなく"仕様"。なくそうとするのではなく、前提として仕組みで防ぐ。これが上手な使い手の腕の見せどころ。

Section 5 AIは手段、主役は人

AIをどう位置づけるか

最後に、技術より大切な「姿勢」の話をします。

このコースでは、AIは目的ではなく手段だと考えます。 ゴールは「最新のAIを使うこと」ではなく、 目の前の人(自分や、同僚や、お客様)の負担を減らすことです。

業務の現場では、AIで業務を自動化すること自体がゴールではありません。
人が本来やるべき仕事に集中できる状態を作ることがゴールです。AIはそのための道具にすぎません。

だからAIを扱う人には、技術力だけでなく 「この自動化は、本当に人の役に立っているか?」と問い続ける姿勢が求められます。

ポイント「すごいAIを作った」ではなく「人が楽になった」を成果と呼ぶ。これがこのコースの基準です。

⚠️ よくある失敗

AIに聞いた「最新情報」「数字」をそのまま資料に載せてしまう
ある担当者が、提案資料の作成中にAIへ「競合サービスの最新料金を教えて」と尋ね、返ってきた金額をそのまま資料に転記しました。商談当日、その料金が古い・不正確だと判明し、信頼を損ねてしまいました。
学び:料金・最新情報・固有名詞・数字は、AIの最も苦手な領域。AIは下書きに使い、事実は必ず公式サイトや元データで裏取りする

このレベルのまとめ

  • 生成AIは、曖昧な指示から文章などを新しく作り出す道具
  • 中身のLLMは、意味を理解しているのではなく自然な続きを予測している
  • 得意は「作る・直す・仕分ける・大量処理」、苦手は「正確な事実・最新情報・計算・最終判断」
  • ハルシネーション(もっともらしい嘘)は仕様。人と仕組みで防ぐ
  • AIは手段。主役は人——これがこのコースの基準

次は 実務演習(exercises.md) で、学んだことを自分の言葉にしてみましょう。

実務演習

Level 1 実務演習

やってみる ― 学んだことを自分の言葉にする

教材を読んだら、必ず手を動かしてください。 読んで「わかったつもり」と、自分の言葉で言える状態は、まったく違います。


演習 1|生成AIを30秒で説明する

以下のシナリオを読んで、空欄を自分の言葉で埋めてください。

シナリオ:AIをまったく使ったことがない知人から「生成AIって結局なんなの?」と聞かれました。 専門用語を使わず、30秒で説明してください。 (自分の回答は、ページ下部の「このレベルの気づき」に書いて講師に送れます。)

答えを見る

【参考】こう言えたらOKの例

「人間が言葉でざっくり頼むと、文章や画像をその場で"作って"返してくれるAIだよ。たとえば『お礼のメール書いて』と頼むと、ちゃんとした文面を作ってくれる。ただし中身は『次に来そうな言葉を予測してる』だけだから、たまに自信満々に間違えることもあるんだ。」


演習 2|得意・苦手を仕分ける

次の5つの作業を、AIが 「得意」「苦手(人の確認が必要)」 に分類し、理由も一言添えてください。

作業得意/苦手理由
A顧客100人分の案内文を、名前入りで作る
B「来月の3日は何曜日か」を正確に答える
C問い合わせメールを「予約・クレーム・その他」に仕分ける
D実在する取引先の正確な電話番号を答える
E上司あての敬語のお詫び文の下書きを作る
答えを見る

【答え合わせ】

分類解説
A得意大量・反復・文章生成はAIの最も得意な領域
B苦手正確な日付・計算は外部ツールに任せる方が安全
C得意分類・仕分けは得意。ただし最終確認は人が行う
D苦手固有の事実はハルシネーションのリスク。元データから取る
E得意下書き作成は得意。送る前に人が必ずチェックする

演習 3|ハルシネーションを防ぐ方法を考える

以下の状況で、ハルシネーション(もっともらしい嘘)による事故を防ぐには、 どんな工夫ができますか。自分の言葉で書いてください。

状況:ある店舗から「お客様に送るLINEに、次回の予約候補日を入れてほしい」と頼まれました。 AIに予約候補日を考えさせて、そのままLINEで送る仕組みにしようとしています。

あなたの考える対策:
答えを見る

**【参考】**正解は一つではありませんが、次のような視点が出ていれば十分です。

  • 予約候補日のような間違ってはいけない情報をAIに"考えさせない"。カレンダーの空き枠という元データから取得して、AIには文面づくりだけを任せる。
  • 送信前に人が内容を確認するステップを仕組みに入れる。
  • 「この日付はカレンダーの実データか?」をチェックする処理を挟む。

ポイント:AIに事実を作らせず、文章を作らせる。事実は必ずデータ元から渡す。これがハルシネーション対策の基本形です。


演習が終わったら、チェックテスト(test.md) で理解度を確認しましょう。


🤖 AI採点の観点(LMS用)

このセクションは、自作LMSの AI評価エンジンexercise_answers.ai_score 0〜100 / ai_feedback)に接続することを想定しています。 自己学習でも、自分の回答が次の観点を満たしているかを確認すると効果的です。

演習採点の観点(合格の鍵・3点)
演習1①「新しく作り出す(生成)」という本質に触れている/②身近な具体例がある/③「予測しているだけ」「間違うことがある」という限界に触れている
演習2①A〜Eの判定が妥当(A得意・B苦手・C得意・D苦手・E得意)/②理由が「繰り返し・事実・分類」などの観点に基づく/③「事実・最新・計算」が苦手という境界を理解している
演習3①事実をAIに作らせず元データから渡す発想/②送信前に人が確認するステップ/③「文章は作らせ、事実は渡す」という役割分担に言及

採点プロンプト(テンプレート)

あなたは「AI入門・基礎コース」の講師です。Level 1(AIの基礎を知る)の演習回答を採点してください。

【レベルの狙い】生成AI・LLMの仕組みと、得意・不得意を自分の言葉で説明できる
【採点する演習】{{演習番号}}
【採点の観点】{{上表の該当する観点(3点)}}
【受講者の回答】{{answer_text}}

次のJSON形式だけで出力してください。励ます語り口で、専門用語は避けてください。
{
  "score": 0〜100の整数,
  "good": "良かった点(1〜2文)",
  "improve": "もっと良くなる点(1〜2文)",
  "one_tip": "次に試すと伸びる具体的な一歩(1文)"
}

チェックテスト(練習・採点あり)

🟢 練習モード:その場で採点します(記録は残りません)。本番採点・進捗・修了証は ログイン後に使えます。

10問・8問以上正解で合格です。すべて選択してから採点してください。

Q1.「生成AI」の説明として最も適切なものはどれですか?

Q2.LLM(大規模言語モデル)が文章を作るときに、実際に行っていることはどれですか?

Q3.仕事の場面で中心的に使う生成AIの種類はどれですか?

Q4.AIが「得意なこと」として最も適切なものはどれですか?

Q5.AIが「苦手なこと」として正しいものはどれですか?

Q6.「ハルシネーション」の説明として正しいものはどれですか?

Q7.ハルシネーションへの向き合い方として最も適切なものはどれですか?

Q8.「間違ってはいけない情報」をAIに扱わせるときの基本方針はどれですか?

Q9.このコースにおける「AI」の位置づけとして正しいものはどれですか?

Q10.AIを「下書きの達人・確認の苦手な新人」にたとえる意味として最も適切なものはどれですか?

このレベルの気づき

感じたこと・気づいたこと・分からなかった点を一言どうぞ(任意)。送信すると講師に届きます

※ プレビューでは送信できません。

本文を読み終えたら

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