属人業務の中から自動化できる『型』を見つけ、業務フローを分解できる
「自動化は、技術ではなく"分解"から始まる。」
| このレベルで身につけること 現場の業務の中から「自動化に向いている仕事」を見つけ出し、それを"きっかけ→処理→結果"のフローに分解できるようになる。AIや道具を使う前の、最も大切な"設計の前段階"を身につける。 学習の流れ:① 教材を読む → ② 実務演習をやる → ③ チェックテストで確認 |
📌 前回の振り返り(Level 2):AIに意図通り指示する力(プロンプト)を身につけました。今回は視点をぐっと上げて、「そもそも、どの業務をAIや道具に任せるか」を見抜く力を養います。良い自動化は、技術ではなく"分解"から始まります。
自動化でよくある失敗は、**「便利そうなツールを先に決めてしまう」**ことです。
ツールから入ると、「この道具で何ができるか」を探す発想になり、 本当に困っている業務とズレた自動化を作ってしまいます。
そこで、逆の順番で考えます。 まず業務を見て、困りごとを特定し、それから道具を選ぶ。
業務改善の最初の一歩は、属人業務を誰でも回せる「型」に分解することです。 誰がやっても同じ手順・同じ品質で進められる状態に整理することを「標準化」と呼びます。
実は、自動化の第一歩は、この"型に分解する"作業とまったく同じです。 業務をきれいに分解できれば、その一部をAIや道具に任せられるようになります。
| ポイント | 自動化=「業務を型に分解し、そのうち機械でもできる部分を機械に任せること」。分解できない業務は自動化できない。 |
すべての業務が自動化に向いているわけではありません。 次の 3つの条件に多く当てはまる業務ほど、自動化の効果が大きくなります。
| 条件 | 内容 | 例 |
| ① 繰り返し | 毎日・毎週など、同じことが何度も発生する | 予約リマインドの送信、日次の売上集計 |
| ② 手順が決まっている | 「こう来たらこうする」がはっきりしている | 問い合わせの仕分け、定型メールの返信 |
| ③ 判断が単純 | 人の高度な判断や責任を必要としない | 「5ヶ月利用なし」を抽出する、など機械的なルール |
| 向かない業務 | 理由 |
| 毎回まったく違う対応が必要な業務 | パターン化できない |
| 高度な判断・交渉・謝罪が必要な業務 | 人の責任と感情が関わる |
| 法律・お金・医療の最終決定 | 間違いが許されず、人が責任を負うべき |
| ポイント | 「繰り返し × 手順が決まっている × 判断が単純」の3つがそろう業務が、自動化の"金脈"。まずここを探す。 |
自動化したい業務は、必ず次の3つの部品に分解できます。 これは Level 4 で学ぶ Make.com の考え方とそのままつながります。
| 部品 | 意味 | 問いかけ |
| トリガー(きっかけ) | 何が起きたら処理を始めるか | 「いつ・何をきっかけに動く?」 |
| 処理(加工・判断) | 途中でどんな加工・仕分けをするか | 「データをどう変える・選ぶ?」 |
| アクション(結果) | 最終的に何をするか | 「最後に何を実行する?」 |
「予約前日にリマインドを送る」業務を分解すると——
- トリガー:毎朝9時になったら(時間がきっかけ)
- 処理:明日予約のあるお客様をカレンダーから抽出し、AIで一人ずつ文面を作る
- アクション:そのお客様のLINEにメッセージを送る
図にすると、左から右へ流れる1本の線になります。
図:自動化は「きっかけ → 加工 → 結果」の1本の流れに分解できる。
このように3つに分けて書けると、もう自動化の設計図ができたも同然です。 あとはそれぞれを、どの道具にやらせるかを決めるだけ(Level 4で学びます)。
| ポイント | どんなに複雑そうな業務も「きっかけ → 加工 → 結果」の3つに必ず分けられる。まずこの形に書き出す。 |
ただ自動化するのではなく、「どれだけ人が楽になるか」を数字で示すことが大切です。 改善を提案するときも、「現状のままだと毎月どれだけ時間がかかっているか」を数字で可視化すると説得力が増します。 「なんとなく便利」ではなく、「月◯時間が浮く」と数字で語れることが信頼につながります。
| 作業1回の時間 | × 月の発生回数 | = 月あたりの削減時間 |
例:1回5分かかるリマインド送信が、月に200回発生している → 5分 × 200回 = 1,000分(約16.6時間)/月 を自動化で取り戻せる
業務自動化の効果は、たとえば 「毎月30時間かかっていた事務作業を、AIで3時間に。」 といった形で表現できます。
これは「30時間まるごと消える」のではなく、 人がやるべき確認・例外対応の3時間だけを残し、残り27時間の単純作業を自動化するという意味です。
| ポイント | 自動化の価値は「時間」で語る。「便利になります」ではなく「月◯時間が空きます」と数字で示す。 |
| 落とし穴 | 対策 |
| 例外を考えていない | 「予約がない日」「データが空のとき」など、想定外の入力に備える |
| 全部AIに判断させる | 事実・お金・送信先などは、データやルールで確定させる(Level 1の復習) |
| 人の確認を外す | 重要な送信の前に、人が見るステップを残す |
| 動かして終わり | 動き続けているか、間違っていないかを見守る運用が必要 |
良い自動化とは、人を完全に追い出すことではありません。 単純作業を機械に渡し、人は判断と例外対応に集中できるようにすることです。
これは業務改善の基本的な考え方です。 自動化しても、最後に「この内容で送って大丈夫か」を確かめるのは人の仕事として残します。
| ポイント | 「全部自動」を目指さない。"単純は機械・判断は人"の線引きを設計するのが腕の見せどころ。 |
| 「例外」を考えずに作り、想定外の日に変な通知が飛ぶ 「毎朝、対象のお客様にLINEを送る」自動化を組んだものの、対象者がゼロの日のことを考えていませんでした。結果、空っぽの文面や「{名前}様」という未差し込みのメッセージが送信され、問い合わせが入ってしまいました。 学び:自動化は順調なときだけでなく、**「データが空のとき」「想定外の入力が来たとき」**にどう振る舞うかまで設計する。動かす前に「変なケースは起きないか?」と一呼吸おくことが大切。 |
次は 実務演習(exercises.md) で、実際の業務を分解してみましょう。
このレベルの演習は「手を動かす」より「考えて書き出す」のが中心です。 業務を見抜く設計力は、この"分解"の訓練で育ちます。
次の5つの業務を、自動化に「向く」か「向かない」かで分類し、理由を一言添えてください。 (ヒント:繰り返し・手順が決まっている・判断が単純、の3条件)
| 業務 | 向く/向かない | 理由 | |
|---|---|---|---|
| A | 毎朝、前日の予約数をスタッフに集計して共有する | ||
| B | クレームを言ってきたお客様に謝罪し、今後の対応を交渉する | ||
| C | 問い合わせメールを「予約・変更・その他」に仕分ける | ||
| D | 新しいサービスの方針を決める | ||
| E | 半年来店のない顧客リストを毎月抽出する |
【答え合わせ】
| 分類 | 解説 | |
|---|---|---|
| A | 向く | 毎日・手順固定・判断単純。3条件すべてに当てはまる |
| B | 向かない | 感情と責任が伴う交渉。人がやるべき |
| C | 向く | 手順が決まっており、仕分けはAIの得意分野 |
| D | 向かない | 高度な専門判断と責任を要する |
| E | 向く | 毎月・ルールが明確(◯ヶ月経過)・判断単純 |
次の業務を、**トリガー(きっかけ)・処理(加工)・アクション(結果)**の3つに分解してください。
業務:「お問い合わせフォームに新しい質問が届いたら、内容を3種類に仕分けて、担当者にSlackで通知する」
| あなたの分解 | |
|---|---|
| トリガー(きっかけ) | |
| 処理(加工・判断) | |
| アクション(結果) |
【参考】こう分解できればOK
| 内容 | |
|---|---|
| トリガー | フォームに新しい問い合わせが届いたとき |
| 処理 | 問い合わせ内容をAIで読み、「予約/クレーム/その他」に分類する |
| アクション | 分類結果を添えて、担当者のSlackに通知する |
ポイント:この3つに書き出せたら、もう自動化の設計図の半分は完成です。
次の状況で、自動化によって月あたり何時間削減できるかを計算し、 クライアントに伝える一言を書いてください。
状況:受付スタッフが、予約リマインドのLINEを1件あたり4分かけて手作業で送っている。 これが月に150件発生している。
| あなたの答え | |
|---|---|
| 計算式 | 4分 × 150件 = ? 分 |
| 月あたり削減時間 | 時間 |
| クライアントへの一言 |
【答え合わせ】
「いま手作業でリマインドに使っている月10時間を、自動化でほぼゼロにできます。その10時間を、お客様への対応や店内の改善に回せます。」
ポイント:「便利になります」ではなく「月10時間が空きます」と数字で言い切るのが伝わる伝え方です。
演習が終わったら、チェックテスト(test.md) で理解度を確認しましょう。
このセクションは、自作LMSの AI評価エンジン(
exercise_answers.ai_score0〜100 /ai_feedback)に接続することを想定しています。 自己学習でも、自分の回答が次の観点を満たしているかを確認すると効果的です。
| 演習 | 採点の観点(合格の鍵・3点) |
|---|---|
| 演習1 | ①A〜Eの判定が妥当(A・C・E=向く/B・D=向かない)/②3条件(繰り返し・手順固定・判断単純)で説明している/③向かない理由(感情・責任・専門判断)に触れている |
| 演習2 | ①トリガー・処理・アクションに正しく分かれている/②処理にAIでの仕分けが入っている/③アクションが具体的(担当者へSlack通知など) |
| 演習3 | ①計算が正しい(600分=10時間)/②効果を「時間」で表現している/③クライアントに刺さる一言になっている |
あなたは「AI入門・基礎コース」の講師です。Level 3(業務自動化の考え方)の演習回答を採点してください。
【レベルの狙い】属人業務の中から自動化できる「型」を見つけ、業務フローを分解できる
【採点する演習】{{演習番号}}
【採点の観点】{{上表の該当する観点(3点)}}
【受講者の回答】{{answer_text}}
次のJSON形式だけで出力してください。励ます語り口で、専門用語は避けてください。
{
"score": 0〜100の整数,
"good": "良かった点(1〜2文)",
"improve": "もっと良くなる点(1〜2文)",
"one_tip": "次に試すと伸びる具体的な一歩(1文)"
}
全10問・8問以上正解で合格です。すべて選択してから採点してください。
Q1.自動化を考えるとき、最初に行うべきことはどれですか?
Q2.自動化と、業務改善の「標準化」の共通点はどれですか?
Q3.自動化に向いている業務の「3つの条件」はどれですか?
Q4.次のうち、自動化に「向かない」業務はどれですか?
Q5.業務を分解する「3つの部品」の正しい組み合わせはどれですか?
Q6.「毎朝9時になったら」は、3つの部品のどれにあたりますか?
Q7.「お客様のLINEにメッセージを送る」は、3つの部品のどれにあたりますか?
Q8.自動化の効果を相手に伝えるとき、使うべき表現はどれですか?
Q9.「毎月30時間の事務作業を、AIで3時間に」というコピーの正しい意味はどれですか?
Q10.良い自動化の設計として正しい考え方はどれですか?
感じたこと・気づいたこと・分からなかった点を一言どうぞ(任意)。送信すると講師に届きます。